予算決算常任委員会(文教福祉分科会)

予算決算常任委員会総務分科会

天気予報によると秋雨前線が南下し雨が降るとのこと。

富士山の上にも笠雲が見られ夕刻から夜にかけての天候が心配な丹沢・大山の麓。

本日の秦野市議会は予算決算常任委員会文教福祉分科会。

私たちの会派「ともにつくる秦野」からは田中めぐみ議員が分科員として出席。

各分科員からの質疑で特に気になったことを以下に記しておきます。

小学校給食設備等維持管理費について

急速に進む少子化と築50年を超える学校施設・設備の老朽化が大きな課題となっています。

地方自治体では、少子化による児童・生徒数の減少や施設の老朽化を背景に、学校の統廃合と給食施設の維持管理に関する議論が活発に行われています。

給食施設の維持管理は、学校統廃合と密接に関わる問題です。

多くの施設が老朽化し、衛生基準への対応や大規模な改修が必要となっており、多額の費用が課題となっています。

また、給食施設の改修や新設には多額の費用がかかるため、自治体の財政を圧迫します。

各自治体は、これらの課題に対し、住民や保護者、専門家を交えた検討委員会を設置し、地域の特性や将来の人口動態を見据えた議論を重ねています。

本市においても、丁寧かつ慎重な議論が求められるのではないでしょうか。

いじめ・不登校対策事業費について

「予算現額1,305,000円 決算額1,018,407円ですが、これで足りるのか」という問いがありました。

なかなか本市においても苦慮しているものと推察します。

文部科学省は、いじめや不登校対策としてスクールカウンセラーの配置や相談窓口の充実を進めています。

しかし、これらは「対処療法」に過ぎず、根本的な解決には学校システム自体の抜本的な改革が必要です。

解消に向けた論点は3つあります。

画一的な教育と過度な競争
日本の学校教育は、一斉授業と画一的な評価を基本としています。このシステムは、全ての子どもに同じペースでの学習を強いるため、多様な個性や能力を持つ子どもたちを排除し、劣等感を生み出しやすい環境です。競争原理が子どもたちの間に序列を作り、それが「いじめ」の温床となり得ると指摘されています。

教員の多忙化と孤立
教員の多忙化は深刻で、日常の授業や部活動指導、事務作業などに追われ、子ども一人ひとりに向き合う時間が不足しています。これにより、子どもの小さな変化やSOSを見過ごすリスクが高まります。また、教員自身がいじめや不登校の問題を抱え込む傾向があり、組織的な対応が困難になる一因とされています。

不登校を「問題行動」と捉える従来の教育観
不登校は、子どもが学校に適合できない結果であり、従来の学校システムが抱える構造的課題を反映しているという見方があります。しかし、依然として不登校を個人の問題や「問題行動」として捉え、学校復帰を最優先する姿勢が根強いことが、子どもをさらに追い詰める結果につながるとの批判があります。

単なる表面的な対策にとどまらず、教育の多様化、教員養成の見直し、そして「学びの場」を学校だけに限定しない柔軟な制度設計こそが、いじめや不登校を減らす真の道とも言えそうです。

乳幼児教育センター運営費について

本市では、市内全ての公立・私立の乳幼児教育・保育施設(幼稚園・保育園・認定こども園)と小学校との連携強化、乳幼児教育・保育の質の向上を図るため、その中核的役割を担う「乳幼児教育センター」を教育研究所(はだのE-Lab)内に設置しました。
(引用)https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1748843396017/index.html

教育委員会教育研究所が所管する乳幼児教育センターですが、こども健康部とのプロジェクト型としての運用が適切なのではないでしょうか。

「秦野で子育てしてよかった」と多くの人たちが感じることができるといいと思います。

令和6年度予算で作成された手引書
「育ちと学びをつなぐ架け橋期のカリキュラム」手引書

小学校運営費及び小学校教育費中学校運営費及び中学校教育費について

本市では図書司書の資格を持つ司書を学校に配置していますが雇用が難しくなっているとのこと。

地方自治体で学校司書の雇用が難しくなっている主な原因は、不安定な雇用形態と低い待遇と言われます。

多くの自治体では、学校司書を非正規雇用として扱っており、これが専門人材の確保を阻んでいます。

低い賃金・待遇: 司書資格を持つ専門職であるにもかかわらず、給与水準が低く、賞与や退職金がない自治体も少なくないようです。

司書業務は、図書の選定・管理だけでなく、読書指導や情報リテラシー教育といった専門的な役割を担いますが、これらが十分評価されていない現状があります。結果として、専門性を生かせる職場として認識されにくいのも問題です。

学校司書を正規職員として採用することで、雇用の安定を図り、専門人材の確保と定着を促進し、司書資格や実務経験を評価し、給与や手当を引き上げる必要があるのではないのでしょうか。

司書を単なる「本の管理人」ではなく、「教育の専門家」として位置づけ、学校運営における役割を明確にすることが望ましいと考えます。

自治体単独での財政負担を軽減するため、国や県が学校司書の雇用にかかる費用を補助する制度を拡充することが、解決の鍵となるのではないでしょうか。

どこもかしこも人材不足

今日の文教福祉分科会でも「支援に必要な人材は十分か?」が問われていたと感じています。

担当課でも限られた予算の中で適切な人材を配置したいという願いがあります。

しかし、予算の関係もあり会計年度任用職員で乗り切るしかない状況が見て取れます。

地域コミュニティが脆弱な中、困った時には市役所に頼るしかありません。

高齢化が進み生産年齢人口が減少する社会の中では、人材確保はより難しさを増しそうです。

行政サービスの質を上げていくためには課題が山積み。

いかにして「秦野で暮らしたい」「秦野で子育てしたい」「秦野で働きたい」人を増やすのか。

みんなで考えていきたい大きな課題です。

明日は、予算決算常任委員会環境都市分科会、私は分科員(副座長)として出席します。

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