11月に入り丹沢・大山も頂上から紅葉が広がっていることがわかります。
気がつけば2025年も残り2ヶ月、しっかりと一年を締めくくりたいものですね。
さて、本日は第30回全国報徳サミット秦野市大会へ来賓としてお招きいただきました。
開催主旨は以下の通りです。
近年の社会情勢は、少子超高齢化の進行、若年層人口の減少、労働力不足、消費活動の低迷、地域の過疎化と都市部への人口集中、更には気候変動による自然災害の激甚化といった、複雑かつ重層的な課題に直面しています。これらの課題は、社会の持続可能性を根底から揺るがし、未来を担う世代の生きづらさを一層深刻なものにしています。
このような混迷の時代において、二宮尊徳翁が江戸時代末期の社会的混乱の中、荒廃した農村を次々と再建し、生涯をかけて説いた「至誠」「勤労」「分度」「推譲」の教えは、特に未来を担う世代にとって、現代の社会的課題を解決する手がかりとなり、地域に根差した活気あふれるまちづくりやひとづくりにつながると考えます。
そこで、未来を担う子どもたちへ報徳の精神を継承するとともに、ふるさとへの誇りと愛着を持ち、自らの手で未来を築いていくことのできる社会となるよう、二宮尊徳翁ゆかりの市町村が秦野市に一堂に集い、報徳仕法の検証を通して、これからのひとづくりやまちづくりに必要な取組を学ぶため、全国報徳サミット秦野市大会を開催します。
全国各地の学校に二宮金次郎像があり、割と身近な存在です。
ところで「報徳仕法」とは何なのでしょうか、簡単にまとめておきます。
報徳仕法について
二宮尊徳(1787-1856)の報徳仕法は、荒廃した農村を復興させるための実践的な経済・道徳改革手法です。尊徳が相馬藩や日光等地で実施し、成功を収めました。
基本理念
- 報徳思想:天の恩(自然)、地の恩(土地)、人の恩(協力)に報いる生き方。
- 「至誠・勤労・分度・推譲」の四徳を重視。
- 至誠:誠実さ
- 勤労:勤勉
- 分度:身分に応じた生活水準の維持(贅沢を戒める)
- 推譲:余剰を他に譲る(貯蓄や公共投資)
仕法の仕組み
- 村の現状調査:負債、生産力、人口などを詳細に把握。
- 復興計画の策定:
- 農地の開墾・灌漑整備
- 家畜や農具の共同利用
- 副業(養蚕、炭焼きなど)の奨励
- 報徳金(資金):
- 村民が少額を出し合い、報徳金庫を設立。
- 無利子または低利で貸し出し、返済は米や労働で。
- 二宮金(貯蓄):
- 各戸が収入の一部を貯蓄し、村の公共事業や貧困救済に充てる。
- 道徳教育:
- 朝夕の勤行(勤労感謝の集い)で結束と規律を養う。
仕法の効果
- 生産力向上、負債解消、村の自立。
- 幕末から明治にかけて全国に広まり、農村復興のモデルに。
簡単に言えば、「道徳と経済を一体とし、村民の協力で村を立て直す」手法だったとのこと。
報徳思想や四徳「至誠・勤労・分度・推譲」は現代にも通ずる大切な理念だと思います。
大会を終えて
地元に二宮尊徳とゆかりのある歴史上の人物がいることは郷土学習にも繋がります。
大会では南小学校の子どもたちが学習発表を行いました。
「ふるさと科」と呼ばれる地域学習を充実発展させるためにも良い教材となります。
また、物価高や不透明な世界情勢の中でも大いに参考となる思想とも言えます。
改めて二宮尊徳の功績を知ることができ本当によかったと思います。
準備や運営にあたった全ての関係者の皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。


