枯れ草の上に蕗の薹を見つけて思い出した本があります。
「土を喰らう日々」(水上勉)
この本を手にしたのは新任教諭として小学校の教壇に立った頃です。
母と同じ会津出身のベテランの先生と同じ学年を組んでいた頃に教えてもらった本。
雪国でもある会津地方ではゴールデンウィークに春の山菜を楽しむことができる。
そして、旬の野菜を売りに来るおばちゃんがやって来た。
そうやって季節感のある食生活があったのを覚えています。
ところが、だんだん野菜から土の匂いが消えていく。
「畑と相談する」なんて行為は皆無となって店頭に並ぶパックを手にするだけ。
食事って何だろうね。
本当にこれでいいのかな。
そんなことを考え始めた頃です。
どこにもコンビニやスーパーが並ぶのはいいのだけれど…
何だか人間にとって重要な「食」が忘れられたようで残念です。
忙しくなったから惣菜コーナーのものをパックのままで食べる。
そりゃあ、お金を出せば何でも買えるんだけど何だか違う気がします。
ノンビリと地面を眺めたら生命力あふれる食材が見つかる。
それを感謝しながらいただくことでエネルギー湧いてくるのではないか。
改めてそう思ったのでした。
明日は何が見つかるだろうか…