子どもたちと共有したい3つのキーワード

スマイルちゃん・リスペクトくん・チャレンジさん

みなさん!こんにちは!

コミュニティジェネレーターくわさんです。

私は、これまでスポーツと教育の現場で多くの場づくりに関わってきました。

そこに何人か集まればコミュニティが生まれます。

せっかく集まったんですから楽しく笑顔で過ごしたいって思いませんか?

今回は教育の現場経験から「子どもたちと共有したい3つのキーワード」をお届けします。

学級目標って覚えてる?

私が小学校教諭となったのは平成4年、25歳の時でした。

当時の倍率は4倍を超えていたこともあり市内各校に初任者がいるなんてこともない。

多くの先輩たちから学級経営や教授方略から人生とは何かまで懇切丁寧に教えてもらえた時代。

今思えば何とも贅沢な職場環境だったかと思います。

そんな時代に違和感を覚えたことのひとつに「学級目標」があります。

どこもかしこも同じようなキーワードばかりだったことに気づいてしまったんです。

「明るく」「楽しく」「元気よく」とか「やさしい」「思いやりのある」クラスなんて書いてある。

もちろん、私のクラスも同じようなキーワードが並んでいました。

それでも荒れてるクラスはえらいことになっているし、落ち着いているようで軍隊みたいなクラスもある。

「明るく、楽しく、元気なクラス」とか書いてあるのに。

みんな教室の前方に掲げられていることは忘れちゃうんですよね。

パッとわかる旗が立っているかね?

若かりし頃の私の教室といえば、子どもたちからは「説教が長すぎる」と苦情が殺到するようなことも。

たしかに「言って聞かせる」ことばかりに注力していたというか、それしか方法を知らなかったんです。

事件が起きれば休み時間や授業をつぶして延々と説教するなんてこともありました。

当時の子どもたちには本当に申し訳なかったなと思います。

「なあ、吉牛(吉野家)が大切にしているキーワードって知ってるよな?」

いつもの居酒屋で大ジョッキのビールを飲みながら先輩からしつもんされました。

「えっと『うまい』『やすい』『はやい』ですか?」

「それそれ!そういう分かりやすいの考えなよ。困った時にパッとわかる旗だよ!」

「でも『明るく』『楽しく』『元気よく』じゃダメですか?」

「まあ、それで上手くいくならいいけどな。実際はどうよ?」

「たしかに教室は私が願うような状態ではないです」

「だろうな。そこに問題があるってことに気づいている?」

「・・・・・・」

「教室の主役は誰かってことが分かっていないんだよ」

いつでもヒントをくれる先輩はニヤッと笑いつつビールをグビッと飲み干しました。

大切にしたい3つのキーワードって?

チャレンジ・リスペクト・スマイル

黒板の前に立って、子どもたちに分かりやすい授業をする。

テストで100点を取る子が増えれば嬉しいし教室は楽しくなる。

「明るく」「楽しく」「元気よく」という状態だけをイメージして教室をつくる。

あくまでも学級経営の主役は担任である自分自身という残念な状況から脱却を図らねばなりません。

果たして吉牛(吉野家)のようなキーワードは見つかるのかと考える日々が続きました。

「自分自身が大切にしたいキーワードを探してごらんよ!3つだけだぞ!」

チャレンジ

そう先輩に言われて最初に頭に浮かんだのは「チャレンジ」です。

子どもの頃からサッカーやバレーボールを通して多くのチャレンジを経験してきたからだと思います。

そこには私だけでなく仲間たち一人ひとりに物語がありました。

同じように子どもたちも多くのチャレンジをしてほしい。

どんな小さなことでもいいんです。

そこで自分自身だけでなく子どもたちに問いかけをするようにしました。

「そこにチャレンジはあるのか?」

だれかと比較したチャレンジというようりは、一人ひとりを起源とするチャレンジ。

なかなか学習に取り組めない子がいても説教することはなくなりました。

ちゃんとやっているのかどうかで判断もしなくなりました。

問いかけをするだけでいいんです。

みんなが同じ人生を歩むわけではないのですから、一人ひとりの物語を大切にしたい。

リスペクト

次に浮かんだのは「リスペクト」です。

これはジュニアサッカーやスポーツマネジメントの現場からヒントを得ました。

JFA(日本サッカー協会)でも頻繁に使われているんです。

リスペクト・フェアプレー
リスペクトを「大切に思うこと」として、サッカーに関わるすべての人、ものを大切に思う精神を広く浸透させていきます。

「Respect 〜大切に思うこと〜」を学校に置き換えたのです。

教室には敵はいない。クラスメイトは敵じゃない。
自分たちの力をためし、学校を楽しむための大切な仲間。
一日の始まりに相手の目を見てしっかりと話をする。リスペクトの証として。
「どの子も輝く教室のつくり方」(明治図書)

自分も仲間も、さらには教室にあるもの全てにリスペクト。

そこにリスペクトはあるのか?

さまざまなチャレンジをする子どもたちの世界では衝突も頻繁に起こります。

動けば動くほど摩擦が起きるのは自然の摂理でもある。

「あーしたい!こーしたい!」という子どもたち同士の葛藤が時としてケンカへと発展します。

そんな時、以前は大岡越前よろしくお裁きをしていましたが、それも辞めました。

リスペクトがあると相手の意見を聴いて気持ちを受け止めることができるようになるからです。

そうこうしているうちに、ゆっくりゆっくりとコミュニティが形成されていくが実感できます。

スマイル

一人ひとりの物語を大切にする。

リスペクトのある環境ではチャレンジが次から次へと生まれます。

評価ばかりされて周りを気にしてきた子どもたちも何だか楽しそうです。

毎日が楽しければ明日も来たくなりますよね。

ということで最後のキーワードは「スマイル」で決定。

そこにスマイルはあるのか?

何かトラブルが起こった時にも子どもたち自身で問いかけることが可能です。

「くわまん!事件!事件!」

子どもたちが私を見つけて興奮気味に話をします。

「あらら!そんなことになっちゃったんだねえ」

以前であれば当事者となる子どもたちを呼んで長々と説教タイムでした。

「普通はこうするよね。おかしいでしょ!それって!気をつけろよ!」

なんて言うのが日常でしたが、それも辞めたんです。

「で、そこにスマイルはあるかい?」

「どうしたらスマイルになれそう?」

そう問いかけをするだけにしました。

子どもたちには自分で考えて行動する力が備わっていますから大丈夫です。

(命に関わるようなことには全力で説教します!)

3つのキーワードの先にあるもの

チャレンジ・リスペクト・スマイル

「チャレンジ」「リスペクト」「スマイル」は「うまい」「やすい」「はやい」のように浸透。

「それってチャレンジなくね?」

「おいおい!それはリスペクトないっしょ!」

「ねえ、そんなんじゃスマイルにならないよ!」

毎日のように3つのキーワードが聞こえてくるようになりました。

「チャレンジ」「リスペクト」「スマイル」は生み出す世界ってなんだろう?

その先にあるものは何か。

「一人ひとりの物語を大切に、幸せな明日をつくる」

「あー!今日も来て良かったあ!また明日ね!」

そんな毎日を子どもたちとつくることにしたのでした。

広がる「チャレンジ」「リスペクト」「スマイル」

広がる「チャレンジ」「リスペクト」「スマイル」

ありがたいことに全国各地の学校や先生たちとのご縁をいただいています。

年間を通して共同研究者として関わる自治体もあれば公立小学校の研修に呼んでいただくこともあります。

インターナショナルスクールやオルタナティブスクールなど多種多様な教育の現場へも足を運んできました。

先生たちと共に学ぶ中で必ず紹介している3つのキーワードは広がりを見せています。

ご縁をいただいて4年目になる学校でも頻繁に使われています。

もちろん、専売特許でもありませんから、どんどん使ってもらったら嬉しいです。

そして、新年度を前にしてメッセージをいただきました。

以前より、桑原さんが唱えておられるチャレンジ、リスペクト、スマイルを大切にしてきました。
今年度は、本校が掲げる学校目標により迫っていくために、みんなが幸せになるために大切にしたい3つのこととして、チャレンジ、リスペクト、スマイルをさらに自分の中でも、子どもたちにも浸透するようにしていきたいと意気込んでおります。
桑原さんのモットーを使わせて頂いてもよろしいでしょうか?
(一部修正して掲載)

なんともありがたいお話です。

「チャレンジ」「リスペクト」「スマイル」というキーワードを置いて楽しんでくれたら最高です。

皆さんの教室で繰り広げられる物語もお聞かせくださいね。

今回は教育の現場経験から「子どもたちと共有したい3つのキーワード」をお届けしました。

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