春一番が吹いたのか?
ときどき強い風が吹いた丹沢の麓(今日は神奈川にいます)
朝イチで先輩に髪を切ってもらい、自宅の用事を済ませ夕刻に約束の海老名へ。
「会ってもらいたい先生がいる」
とサッカー協会でお世話になった大先輩から連絡をもらったのは先月のこと。
「いつ神奈川に帰れるかな?」
なんて考えながら日程を決めて設定したのが今日。
小田急線は新型コロナウィルス対策に関する車内放送や駅の構内放送をしている。
こちらも気をつけながら決めた場所はここ。
ここ素敵ですから海老名へお越しの際はぜひ!
一気に若返る教育現場の中で
前置きが長くなりました。
大先輩のサッカークラブの卒団生であるナイスガイは27歳で小学校勤務。
各学年2クラス規模の小学校であり学級担任は12名。
専科を入れても20名に満たない教職員数という職員室。
来年度から2年間の学校研究指定を受けることになった。
「え?27歳で研究主任?」
と思いつつ、自分自身が30歳で研究主任になったことを思い出しました。
当時のボクは、年上が多い中でお鉢が回ってきただけ。
新採用の先生なんて来ない年もあったほど…
でも、昨今は一気に若手が入ってくる時代となり年齢構成はアンバランス。
そんなわけで彼は若いのに職員室の年齢構成からして中堅なのです。
そんな彼の悩みは「学校研究をどう進めていくか?」ということ。
研究テーマは「主体的・対話的な○○」というようなイマドキな感じ。
そもそも学校研究ってなんだ?
なんとなく学校というか職員室の様子が見えてき中で質問。
「学校研究を経験したことがある先生たちってどれくらい?」
「ほとんど経験したことがないです」
「そりゃそうだよね、20代がこれだけ多ければ」
そういえば、前任校でも同じようなことがありました。
その時は学校研究ではなくてキャンプでしたけども…
誰も引率を経験したことがない中で行かなければならない。
そんな状況があったのです。(これってかなりドキドキ)
「逆にベテランには従来の学校研究像があるよね。」
と尋ねると
「やること決めてくれたらやるから早く決めて」
と言われたそう。
そりゃそうだよね。
従来の学校研究は以下のような感じ(ボクの経験レベル)
1.市町村教委や県・国などから研究指定を受ける
国語や算数などの教科を指定されることもあれば、環境教育やICT活用などもある。
2.研究テーマを学校内で決める
児童の実態、教職員の願い、社会の要請などを鑑みてテーマが決まる。
3.研究の進め方を決める
研究主任さんがいて各学年に研究担当を配置し全体会や分科会が構成される。
4.講師をどうするのかを決める
研究テーマにピッタリと思われる大学の先生など専門家を探す。
5.研究授業の公開日と公開授業のあり方を決める
全体会の構成と授業公開をどのようにするかなんてことを話しあう。
運命の分かれ道は「学校研究」をどう捉えるのか
いきなり「運命の分かれ道」と書きました。
「学校研究を通して学校全体が元気になる」か「学校研究を通して学校全体が荒れていく」
どっちに転ぶのかは分かりません。
「ただでさえ忙しいのに学校研究があるなんて」
「これ以上、何をしろって言うんだよ」
なんて声も聞こえていたことがあります。
「どうせやるなら楽しんで何かしらパワーアップしようぜ!」
なんて言う先生は恐らく少数派です。
でもね…
「学校研究をやるのだ!」
ということは既に決まっているので逆手にとって利用しないといけません。
まず、研究費が下りてきます。
研究に必要な物品や書籍などを購入できる。
普段は呼べないような講師も招聘できる。
これは予算が少ない学校にとっては、またとないチャンスです。
「学校が楽しくなって、もっと子どもたちが笑顔になるビッグチャンス!」
管理職を含め学校全体がそう捉えた方が楽しく進められたなって思います。
ワイワイガヤガヤで楽しい学校研究に
前任校で、よくやっていたのはワークショップ。
年間を通して全ての先生が授業を公開して研究日に振り返るというスタイル。
私も何度も公開しては情け容赦ない(笑)フィードバックをいただいておりました。
4人から5人ほどのグループをランダムに作って話しあう。
出てきた意見や疑問を全体で共有して、それぞれが財産を持ち帰るような形。
より多くの目で授業を振り返ってもらえるのは本当に楽しかった。
ちょっと昔の(いや今やかなり昔かも)研究だとご意見番がガーッと話して終わり。
一部だけがプレイヤーになっていて後は観客みたいでつまらない。
それじゃあ勿体ない。
みんながプレイヤーになって、あっちへこっちへとボールが転がる方が楽しいのです。
前任校の職員室は、ベテランから若手までが同じピッチ上でボールを繫ぎ合っていた。
そんな所だったのでボクも「ベンチのある教室」を思いっきり楽しませてもらったのです。
「主体的・対話的な○○」という研究テーマ。
ついつい子どもたちに向けたアプローチばかりを考えてしまうのですが…
そこはちょっと待ってください。
まずは教職員同士が「主体的・対話的」になる必要があります。
だって、「大人同士でできないことは子どもにも伝えられません」(持論)から。
ボクがここ数年で見に行った中で良かったのは小金井市立第三小学校の研究。
職員室のチームビルディングと子どもたちの活動がリンクしていた好例。
↑こちらにも紹介されているようです(Amazonは出品者からしか買えない)
学校研究に役立つ書籍はたくさんある
話をしながら思い出した本がいくつかあるので紹介しました。
国語を中心にするというのでカリキュラム・マネジメントの話が出てきました。
ということで、まずはこちらを紹介。
既に読んでいたようですが、是非、職員みんなで読んで欲しい。
なんと言っても国語は他教科というか学びには欠かせない重要な教科ですから。
そして、学校研究を楽しくするためにファシリテーションの本も紹介。
分かりやすいのは、以下の3冊です。
子どもたちが主体的にも対話的にもなる必須スキルがファシリテーション。
これらを参考にして前任校の研究も大きくスタイルを変えました(←実績あり!)
教室でも職員室でも多大な効果を実感できます。
ファシリテーションに関しては他にも情報はたくさんあります。
書店やWebサイトでも探してみて欲しいなって思います。
そして、アイスブレイクにはこちらもおすすめ。
子どもたちとも楽しめるし、職員室でも楽しめる。
書籍じゃないけども、これもオススメのカード。
おっと…
忘れちゃいけない最近の本があった(笑)
最後はこれ!
どうせやるなら楽しんで学校研究を!
せっかくですから、めちゃくちゃ楽しんでしまいましょう。
「学校研究を通して」
とても楽しくおしゃべりができるカフェのような職員室に進化しちゃいます。
とても楽しくてたまらないプレーパークのような教室に進化しちゃいます。
↑これ絶対!
「学校研究を中心に」
日々の実践をそれぞれの先生方が、それぞれの物語で楽しむ。
気軽に楽しんでくれたら嬉しいです。
P.S.
またまたボクというボールが転がって新たな繋がりが生まれました。
少しでもお役に立てたなら光栄です。
人生という名のボールは転がり続ける。