いつものように珈琲を飲みながら朝刊に目をやると、こんな記事がトップに来ていました。
なるほど最近の若者たちは、クルマを欲しがらない…
そんな彼らの世代の動きを読み解くことは、けっこう大切な気がします。
「クルマ?電車ですむ」という感覚は正しいかもしれない。
例えばクルマだ。かつてマイカー購入はカローラなど大衆車に始まり、経済力がつくにつれ高級車に買い替えていった。
私が社会人となった1990年頃は、まさにこんな感じでした。
バブル崩壊前でもありましたが、イケイケの若者たちがローンを組んで高級車を買い漁ったというようなこともありましたね。
おまけに高級ブランドの服を買っては身につけるなんていうのがステータスだった時代です。
IT関連企業の役員さんの話が出てきます。
もちろん、交通の便がいい都心の話ですが、
「クルマも電車も同じ移動手段。高級なクルマを乗り回す感覚がわかりません。」
なるほどね!
たしかに都心でクルマを所有するとなると駐車場代だってバカになりませんから、これって正解かもしれません。
自転車ブームが起こるのもわかるような気もします。都心では移動手段は自転車なんてのもいいかもしれません。
だって、新宿から銀座まで歩いたって90分ですからね…
「低燃費」「草食消費」と言われる低成長時代の新しい消費者たち
消費を牽引してきた20~30代がモノを買うことに関心を失ったように見える。
なるほどなあ、たしかに今の若者たちは所有しないって聞いているけど、その通りなんでしょうね。
無料や安価なモノをやサービスを楽しむ一方で、気に入ったものへは高額な出費をいとわない。仲間と交流を深め、盛り上がるためにもお金をかける。
これもなんとなく理解できます。
考えてみるとおじさんたちの世代では、スマホの使用料が高いなんていうのは理解し難い感覚だったりもしますが、画面を通して繋がれるという点では安いと感じているのかもしれません。
大手百貨店も苦労しているようです。
私が子どもの頃と言えば、百貨店に行ってものを買うこと自体がステータスだった時代。
今の若者たちには「なにそれ?」と言われてしまいそうですね。
モノを一方的に売ることからの脱却を図り、ライフスタイル全般を提案する情報発信型に切り替えた。
この一分を見てジャパネットが頭に浮かんでしまいました(笑)
そういえば、IKEAなども家具を売るというよりもライフスタイルを提案していて人気があります。
それにしてもピンクのクラウンというのはいかがなもんでしょうかね?
「若者には金がない」その先入観を捨てよ
久我尚子さん(ニッセイ基礎研究所研究員)は、こう書いています。
「若者は手元で使えるお金がないため消費をしなくなった」と言われるが実際は違う。
30歳未満の勤労単身世帯の1ヶ月の可処分所得は21万円余り。1999年より男性は約1万円減、女性は2万円以上増とのこと。
・価値観変わり消費が変わった
たしかに「ゆとり世代」は、デフレとITの恩恵を受けて育ってきています。
百貨店などのショップへ行って品定めをして、実際はネットショップで安く購入するなんて話は良く聞きますよね。
そして、安くて質のいいものが身近にある…
ユニクロで十分だったりもするし、100円ショップの文具だって昔からすれば相当なクオリティですからね。
今の若者たちは、私たちの40代よりも賢い消費者たちなのかしれません。
戦後的サラリーマン像 引きずるな
評論家の宇野常寛さんは、こう書いています。
「若者がモノを買いたがらなくなった」という言説には違和感を覚える。
新しいホワイトカラーともいうべきライフスタイルをもつ20~30代について、こう語っています。
基本的に既婚者は共働きで、情報収集はテレビ・新聞よりもインターネット中心になっている。
たしかに、私が知る人たちもインターネット中心の人が多い。「なんでもネットで!」という空気が蔓延しています。
面白いのは、古いホワイトカラーとこれからのホワイトカラーの比較です。
私たちの親世代は、古いホワイトカラー。
企業に勤め多くの人たちが東京から小田急線沿線や京王線沿線のベッドタウンへ引っ越してきました。
私も世田谷から、新宿から1時間の小田急線沿線へ移り住んだ一人ですし、母親もしばらくは専業主婦。
戦後的労働環境と大企業文化と専業主婦の3点セット
たしかにその通りでしたね。
しかし、新しいホワイトカラー層はこうした条件下にはいない。
基本的に共働きですし、自動車の利用が便利な地域に住んでいて買い物もアマゾンでOK。
インターネットやサブカルチャーの領域には若者がお金を出したいとい思える商品やサービスがあふれている。
これはヒントになりそうです。
まとめ
こんな若者たちに育てられる子どもたちは、明らかに新人類です。
不思議な感覚を持っている子どもたちが増えてくるかもしれません。
でも、既存の価値観にとらわれている古い人たちにとっては新しい風を運んでくれるありがたい存在となるかもしれません。
大量消費時代に育った私などからすると、現代の若者たちのほうがまともな気がしてなりません。
いい勉強になりました。