春の気配を感じる青空と山々の風景が美しい物部へ。
高知県の香美市物部へやって来ました。
香美市立大栃小学校・中学校での研修です。
旧物部村にある小規模特任校。
小学校、中学校ともに穏やかな空気が流れる空間。
何だか懐かしいようなホッとする空気が流れていました。
こちらも長い歴史の中で山の上にある学校が閉校する歴史があります。
昭和35年には小学校15校、中学校7校、2065名の児童生徒がいました。
しかし、現在はこちらの小中学校のみ、児童生徒数は40名ほど。
小規模校の強みを活かした異学年グループによる「対話」・「遊び」・「学習」・「行事」の活動を通し、「自立(主体性)」と「共生(協調性)」、「個別最適な学び」を育む
というような教育にチャレンジ中です。
小学校で見た「わいチャレ」と言われる時間。
それぞれの課題について学年が混ざり合って学んでいます。
鉛筆を動かすスピードが速い。
子どもたちは黙々と課題に向き合っています。
丸つけは、上級生にしてもらっている。
分からないことがあれば、そこにいる仲間に教えてもらえる。
先生たちは程よい距離感で子どもたちを見守っています。
子どもたち一人ひとりを大切にしていることが分かります。
少人数という利点を最大限に活かしている。
子どもたち同士の関わり方も何とも自然です。
ずっと一緒にいるからなのかお互いの距離感を良く知っているのでしょう。
接し方が柔らかく見ているだけで心がポカポカ温かくなりました。
中学校では「対話」する生徒たちの姿がありました。
「なぜ人には名前がなければならないのか」
というテーマでサークル対話。
みんな穏やかな表情で笑いながら話が進みます。
それぞれの生徒間に程よい距離感があります。
お互いを尊重することが基盤となっていることが分かります。
何とも居心地の良い空間でした。
校長先生に紹介してもらった動画があります。
保小中の連携が見て取れること、子どもたちの表情が素敵なこと。
見ていて思わず涙が溢れそうになりました。
実は物部地区には人口減少という厳しい現実もあります。
戦後の高度経済成長が生活を激変させたことは全国各地と同様です。
参考資料はこちら↓
https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2022/10/167.pdf
それでも「大栃は残す」という熱い思いが伝わってくるのです。
絶対に買うことができない自然に囲まれている。
そこにあるものを最大限に活かしたチャレンジが求められます。
放課後は小中学校の先生たちとの研修。
「一人ひとりの物語と学び」というテーマでお話をしつつ対話。
先生方には、とにかく喋ってもらう。
「あーでもない!こーでもない!」
「あ!こんなことできるんじゃない?」
「お!それいいね。やってみましょうか!」
なんていう感じで対話が進んでいきました。
そこにいる「ひと・もの・こと」でつくる学校。
目の前にある資源を最大限に活かせたら面白くなってきます。
「ちょっとやってみようか!」
そんな感覚で学校づくりを楽しんでもらえたら幸いです。
今回も学び多き時間をいただきました。
高知で出会った全ての皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。