外水道が凍るほどに寒かった丹沢・大山の麓。
ちょっと遅めの朝散歩に出かけて見つけたミカン。
収穫を終えて残された一房を見つめながら考える。
事実としては…
「ただそこにあるミカンがあるだけ」
そんなミカンを見て感じたことがある。
「オレンジ色が輝いていて素敵だ」
「食べたら美味しいだろうなあ」
なんて単純なことだ。
「おい!そこのキミ!美味しそうなミカンだろ?」
「美味しいし、ビタミンCも摂れるんだぜ」
「キミが元気なのはオレのおかげだぜ」
なんてことをミカンは言わない。
自然界にあるものは、ただそこにあるだけ。
ところが人間というのは厄介なものだ。
教師だったりコーチだったり上司だったり…
「あいつはオレが育てた」
何かしら事業に関わっている人たちも…
「あれは私がやったんだぜ」
なんてついついやってしまう。
だから…
「恩着せがましい」
と言われてしまう。
「お前な、子どもたちに感謝の言葉を期待するのは甘ちゃんだぞ」
教職員時代の先輩はこう言った。
「先生のおかげで…」
なんて言葉は心地よいのだが注意が必要だ。
子どもたちに感謝されたいために働いているわけではないからね。
本当にすごいって言われる先生ほど平常時は存在を消す。
いざという時、ピンチの時だけに存在間を示すものだ。
これはありとあらゆるリーダーに言えることかもしれない。
「ただそこにあるミカン」のようになれるか否か。
修行が必要である。