読み終えて涙がこぼれそうになりました。
平塚競技場で、今西さんと握手を交わした記憶が鮮明に蘇ってきました。
大学の後輩である現長崎のGM服部くん(ハット)が紹介してくれての出来事…
FC刈谷の立ち上げをしながらも辞めることになってしまったハット。
大学時代、一つ上の学年だった柴田さんが繋いでくれた御縁。
「今西さん、凄い人です。」
彼からちょくちょく話を聞いていたので、どんな人なんだろうと思っていました。
読み進めるにつれて…
「ハットが言っていたことは、こういうことだったんだ」
と実感が湧いてきます。
本書で語られる今西さんの姿は、まるで教育者そのものです。
広島出身の今西さんと愛知出身のハット…
FC岐阜と地域のために全力を注いでいた二人。
地域貢献活動を徹底して行ってきたこと。
経営を安定化させるために大物選手を排除しなければならないこと。
ジュニアユース選手の事故死もあり、苦難の連続であったであろうことが推察できます。
そんな二人が急に辞めることになって驚きました。
「先輩、いろいろあるんです。」
と言いつつも、彼がそれ以上のことは言わなかった理由が本書で理解できました。
こんな悔しいことがあったんだ。
辛かっただろうな。
本文を読み進めるにつれて腹立たしい気分でいっぱいになります。
長崎へ行くことが決まって、ちゃんと連絡をくれたハット…
「当たり前のことを当たり前のようにやる。」
そんなことを教えくれた尊敬する人物の一人です。
大きな組織というのは、時に現場で何が行われているのかをキチンと見ない。
一方的に決めつけて介入してくることがある。
この本の中にあるFC岐阜における今西さんとハットの解任騒動は典型です。
何やってんのJリーグ?
ホントにこういうことがあるのは残念です。
権威は人のために使うのであって、自分の保身のために使うのではないのです。
「スポーツを通して地域が本気で繋がるってどういうことか理解できるか?」
今西さんから宿題をいただいたような気がします。
著者、木村元彦さんにも敬意を表したいと思います。
感謝。
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