丹沢・大山の麓は冷たい雨。
小雨ながら子どもたちが続々とやって来る歩道に立つ朝でした。
「くわまーん!今日はなにまん?」
「今日は、あんまんだな」
「宇宙人、昨日は来たの?」
「昨日はね、忙しいから行かないって電話あったよ」
何処の学校でも相変わらず…
教室では時間割変更もあり3コマがブロックアワー。
黒板にかけられたホワイトボードのチェックリストを確認してスタート。
自分のペースで学びに向かう子どもたちを見ながらあれこれと考える。
「もう少し集中できるといいなあ」
「お?今日はグイグイ行けているぞ」
「ん?もう少し先へ行けるように何か話そうかな」
タイミング悪く声をかけてしまうことがあります。
それは自分が声をかけたいからに他ならず…
せっかく集中しているのに…
まだ考え中で脳みそに汗をかいているのに…
子どもたちと頭の中で対話してみる。
「もういいかい?」
「まあだだよ!」
「・・・」
「こっちの子はどうかな?」
「もういいかい?」
「まあだだよ!」
「・・・」
「じゃあこっちは?」
なんてやっていると…
「ちょっと!くわまん!これってさ…」
と声がかかる。
子どもたちの毎日は、樽の中でじっくりと熟成するような感じでしょうか。
慌てて栓を開けてはいけません。
混ぜすぎも禁止です。
とにもかくにも一人ひとりの力を信じて丁寧に見守る。
深まる秋、寒い冬を越えて春になった頃…
きっと重厚感とキレのある一人ひとりの物語が開封されることでしょう。
慌てず、じっくりを成長を待ちたいと思います。