春の香りを感じるような暖かかな丹沢・大山の麓。
ロウバイや紅梅は満開のところがある。
今日から通常運転、つまり体調も全快に近いということ。
そんな月曜日。
去年の3月まで勤務していた学校で研修会があった。
久しぶりの子どもたちにワクワクしながら訪問。
「あ!くわまんだ!」
子どもたちはニヤニヤしながら手を振っている。
「ニセ者でしょ?」
とかいうのでマスクを取った。
「おー!本物だー!」
なにかのキャラクターに遭遇したような反応がある。
まあ、それが嬉しいのだけれど。
「そういえば、おめでとう!」
なんて昨夏の選挙の話題に触れてくれた子もいる。
相変わらず暖かい子どもたちだ。
今日の研修会のきっかけは昨年の夏休み。
「桑原先生、この本の蓑手先生ご存じですか?」
という前任校の研究主任さんの一言だった。
【単行本】
【kindle版】
ありがたいことに「みのさん」とは繋がっている。
そんなわけで急ぎ連絡を入れたら「OK」と即答があった。
というわけで伊勢原市立大田小学校に蓑手先生がやって来た。
みのさんとボクは4年生の授業を参観。
算数「少数と整数のかけ算、わり算」に自由進度学習で学ぶ。
先生の説明は3分で子どもたちはサッと机を動かして学び始めた。
グループで進める子もいれば一人で進めていく子もいる。
子どもたち同士のおしゃべりは何だか心地よいBGMのようだ。
大きな声で騒ぐようなこともない。
淡々と子どもたちの学びが進んでいく。
先生はグルグルと教室の中を歩いている。
ちょっとしたやり取りを多くの子どもたちと繰り返す。
「このスタイルで学ぶのって、どんな感じ?」
そんな質問を投げてみた。
「楽しいよ」「けっこう進むよ」
なんて言葉が返ってくる。
「いやいや、お前さぼってんだろー」
というようなツッコミが微笑ましい。
こういう雰囲気を生み出すのも自由進度学習の魅力だ。
当然、困ったことも起きるのだが、そこがチャンスになる。
困ったらどうするかを考えるきっかけになるのだ。
そもそも学びの場をつくるのは先生だけではない。
子どもたちも同じように責任を負っている。
教室はそこにいる全員でつくる共同体と考えれば当然でもある。
「いやいや、そこは大人がしっかりと導かないと」
というようなことを耳にすることがあるが、それは少々まちがっている。
子どもたちにはもともと自主性が備わっているからだ大丈夫。
大田小学校では全学年で自由進度学習へのチャレンジが始まっている。
各学年3クラス規模の学校では稀なケースかとも思う。
既に実践をしているからこその質問が多く、みのさんが答えていた。
先生たち同士の意見交換は秀逸だった。
「ふきだしくん」を使って、どんどん思いが綴られていく。
みんながやっているからこその内容が綴られていた。
来年度は研究発表ということで今後の展開に注目である。
自由進度学習が生み出すものを世の中に問うてみてほしい。
自らの人生を自ら切り拓くためにも。