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火花が散る瞬間を意識してる?

丹沢・大山の麓は新緑の季節を思わせる気温。

いつもなら5月の連休を迎える頃に咲く梨の花たちも散っている。

足早に夏がやって来るのかと少々心配になります。

家の周りを掃除したり、オンラインMTGがあったり、何かとバタバタした金曜日。

テーブルに置かれていた本に目が留まりました。

土門拳の写真は所有している写真集で見たことがある。

戦後を生き抜いた子どもたちの生き生きとした表情が伝わってくる。

「あー!この頃の子どもたちって本当に子どもらしいなあ」

そう思ってスルーしていましたが。

ぼくは被写体に対峙し、ぼくの視点から相手を睨みつけ、そしてときには語りかけながら被写体がぼくを睨みつけてくる視点をさぐる。そして火花が散るというか、二つの視点がぶつかったときがシャッターチャンスである。

「車椅子からの視点」「古寺巡礼」(土門拳)

こちらの一節を見つけてハッとさせられました。

「そうか!土門さんが被写体である子どもたちを凝視してバチッとなった瞬間なのか!」

その一瞬に全てが凝縮されているのだと思うのです。

果たしてボクは教師として、サッカーコーチとして土門拳さんのように見ていただろうか。

そんなことを考えてしまいました。

一人ひとりの子どもたちにとって最高の瞬間を見逃していなかっただろうか。

正直言って見逃しまくっているちがいない。

ずっと動画撮影をしているような状況であるけれど、静止画として瞬間を切り取る。

その子にとって、とても大切な瞬間を…

バシャリとシャッターを切り、その視点をたぐり寄せながら前へ前へとシャッターを切って迫っていくわけである。

「車椅子からの視点」(土門拳)

ただただ、シャッターを一度だけ切っておしまいではないのです。

ひたすら前進して迫っていく。

果たしてボクは、前進し続けて迫っていくところまで行けていたのだろうか。

おそらく詰めが甘い。

「まあここまでかな」

なんて妥協していなかっただろうか。

そんなことを思う金曜日。

そうそう!こちらの本、オススメです!

「こんなふうに子どもたちの表情を捉えられたらいいよね」

「子どもってこんな表情するのかあ」

って驚きをもってページをめくることができます。

「火花散る瞬間」を意識してみよう!