少子化時代の子どもたちと笑顔で向き合うには?

笑顔あふれる子どもたちの世界をつくろう!

こどもの日。

「子ども 子ども1400万人割れ 44年連続減 過去最少」

朝刊の見出しを眺めながら何とも言えないモヤモヤした気持ちになりました。

子どの数は減っているのに不登校児童生徒数や小中高生の自殺者数は増加の一途をたどっています。

やっぱり気になる子どもたちの世界。

「少子化時代の子どもたちと笑顔で向き合うには?」

そんなことを考える一日です。

増え続ける不登校児童生徒数・自殺者数

子育て中の皆さんや多くの教育関係者が頭を抱えている大きな問題は数値にも表れています。

不登校児童生徒数(令和5年度)
小学校: 130,370人 中学校: 216,112人
合計(小・中学校): 346,482人(過去最多)
高等学校: 68,770人(過去最多)
文部科学省の調査によると前年度から約4万7千人増加し、過去最多を更新しました。
高等学校においても、不登校の生徒数は増加傾向にあります。

子どもの自殺者数(令和6年)
小中高生の自殺者数: 527人(1980年以降で最多)
文部科学省も「極めて重大に受け止める必要がある」として、自殺予防対策の強化を求めている状況です。

背景には、コロナ禍以降の子供たちの孤立や、対人関係の悩みなどが指摘されています。

これは社会のあり方が問われている証なのではないでしょうか。

少子化における子どもたちの生きづらさの原因

少子化における子どもたちの生きづらさの原因は、複合的で多岐にわたります。

「○○だから生きづらい」とは単純にはいきません。

歴史をたどれば子どもたちが大人になることは大変なことでした。

成人するまで生存することが容易でない国や地域は今でもありますが、我が国を前提としてまとめてみます。

社会構造の変化

核家族化と地域社会の希薄化

昔に比べて親族や地域住民との関わりが減り、子どもが多様な価値観や人間関係に触れる機会が失われています。
たしかにご近所さん同士の交流も少なくなり町全体が静かになりました。
近所で井戸端会議を繰り広げるような光景を見ることも珍しい状況です。
こういった環境では社会性の発達が未熟となり孤立感の増大につながる可能性がありそうです。

共働き家庭の増加と親の孤立

親が仕事に追われ、子どもとじっくり向き合う時間が減少しがちです。
また、子育ての悩みを共有できる地域社会のつながりが弱いため、親自身が孤立してしまいがち。
よって育児に関わることをネット情報に頼るなんてこともあります。
そこで得た情報に煽られて子どもへの不安や過干渉につながっているのではないでしょうか。

情報化の進展とSNSの普及

小学生でもスマホを持つ時代となり常に情報に晒されている社会となりました。
長らく小学校の現場にいた経験からしても子どもたちと情報の接し方は大きく変化していると実感しています。
以前はリアルなコミュニケーションが主体だったのに、今ではオンライン上に場を移しています。
すぐに連絡が取れるという便利さもありますが一長一短。
SNSを通じた人間関係は子どもたちに過剰な刺激や比較意識を生み出している関係をこじらせることも。

経済格差の拡大

家庭環境による教育格差や体験格差についての指摘を目にするようになりました。
「親ガチャ」なんて言葉も生まれ何ともいえない気持ちにさせられます。
貧困家庭の子どもは、食事や学習環境、進路選択など多くの面で不利な状況に置かれやすい。
以前から大人の社会でいわれる「勝ち組」「負け組」への意識が子どもたちにまで広がっているようです。

子どもを取り巻く環境の変化

少人数化による人間関係の質の変化

少子化ですから兄弟姉妹が少ない、地域の子どもの数が少ない。
どこもかしこも少人数で空き教室や閉校する学校も増え続けています。
この流れも子ども同士の多様な関わりや揉め事を通じた学びの機会を減少させる可能性がある。
そういえば児童公園で多くの子どもたちが遊んでいる光景を見る機会が本当に少なくなりました。

過保護・過干渉

少子化によって親が過度に干渉しすぎる傾向も指摘されています。
対象となる子どもたちが少ないわけですから、その子だけに集中してしまいがち。
「この子だけは…」という心理も働いて、子どもたちと適切な距離感を保てない。
お金をかけて大切に育てたつもりが子どもたちの自主性や挑戦心を奪うこともありそうです。

競争社会と学歴偏重

残念ながら親世代は競争社会と学歴偏重の社会構造の中で育ってきました。
親の学歴や収入への期待が子どもにプレッシャーを与え、過度な競争意識や将来への不安を抱かせる。
「競争から共創へ」と言われる世の中でも更に競争が激化している印象があります。
教育無償化によって更にお金が教育産業へ流れることになりそうで心配も尽きません。

遊びの質の変化

安全志向の高まりによって子どもたちが自由に外で遊んだり、多様な体験をしたりする機会が減っています。
子どもの数が減っていけば集団で遊ぶことが難しくなるので危険性を回避することもあるでしょう。
これは、体力低下だけでなく、社会性や創造性の発達にも影響を及ぼします。
いわゆる「ごっこ遊び」は子どもたちにとっても大切な時間ですが、そんな機会も減っているようです。
習い事の増加などによって子どもたちも何だかビジネスマンのように忙しい現状もあります。

将来への不安

社会全体の閉塞感や将来への不透明感

少子高齢化による社会保障制度への不安、経済の停滞、環境問題など、社会全体の不安感は増すばかりです。
世の中の不安を煽るニュースに満ちあふれていることで大人たちの世界が楽しそうには見えません。
匿名で誹謗中傷の絶えないSNSによる情報の拡散なども社会全体の閉塞感のあらわれのようです。
一人ひとりが大切にされることを志向してきた世界も極右が台頭している。
多種多様なものを受け入れる世界から分断への道へ突き進む傾向は子どもたちを不安にさせることでしょう。
様々な要因が複雑に絡み合い、現代の子どもたちは様々な生きづらさを感じているのではないでしょうか。

少子化時代の子どもたちと笑顔で向き合うには?

少子化は、子ども一人ひとりの育つ環境や社会との関わり方にも大きな影響を与えているとも考えられます。
社会全体の閉塞感や将来への不透明感が増す中で、私たちはどのように子どもたちと向き合えばいいのでしょうか。
こんな時代だからこそ、私たち大人が意識して子どもたちと笑顔で向き合あうことを大切にしたい。
では、どうすればいいのでしょうか。

一人ひとりの個性を尊重し、認め、褒めること

「みんなと同じ」を求めすぎない

少ないからこそ、一人ひとりの興味や才能を多様に見つめることができるのではないでしょうか。
大人数だと見落としがちな個性も見つけやすいはずです。
子どもたちの個性的な部分を見つけ、認め、褒めることで、自己肯定感が育まれていきます。
「みんなと同じ」にすることもよりも「一人ひとりの物語を大切に」してほしい。

小さな成長も見逃さない

大人の期待値が高すぎるとテストの点数など見えることだけで子どもたちをはかってしまいます。
誰かと比較することで分かりやすいこともあるかもしれませんが注意が必要だと思います…
昨日できなかったことができるようになったなど日々の小さな成長を見逃さないにしたいものです。

大人が楽しむ姿を見せること

大人自身が人生を楽しむ


大人が仕事や趣味など、自分の人生を楽しく過ごす姿は子どもたちに肯定的な影響を与えます。
子どもたちのために頑張ることも大切ですが、それによって大人が苦しでいては元も子もありません。
昔から「大人の背中を見て子どもは育つ」と言うではありませんか。
大人が笑顔でなければ子どもたちを笑顔にすることなんてできません。

一緒に楽しむ時間をつくる

散歩、料理、ゲームなど、子どもと一緒に楽しめる時間を持つことで、親子の絆が深まり、笑顔が生まれます。
子どもと一緒に笑うことは、大人によっても幸せな時間です。
何かを一緒にやってみる体験から子どもたちが感じることがあれば十分なのではないでしょうか。

デジタルデトックスの時間を設けること

情報過多から子どもを守る

スマートフォンやインターネットの情報は刺激が強く、子どもの心身に影響を与える可能性があります。
ただ困ったことに大人が情報過多の荒波にさらされているようです。
都合良くネット上に流れる情報を鵜呑みにして間違った形で子どもたちと向き合うこともあるのではないでしょうか。
家族でデジタルデトックスの時間を設け、 リアルなコミュニケーションを大切にしましょう。
自然の中で遊んだり、本を読んだり、時にはボーッとする時間も重要です。

情報より子どもの気持ちに寄り添う

子どもが話したいこと、悩んでいることに耳を傾け、共感する姿勢が大切だといわれます。
スマホばかり眺めていないで、子どもたちの声をききましょう。
大人の価値基準だけで子どもの状況を判断することにも注意が必要。
適切な距離感を保ちながら傾聴するように心がけたい.

少子化だからこそ、子ども一人ひとりが大切にされ、笑顔で成長できる社会を築いていきたい。
焦らず、温かい目で見守り、子どもたちの可能性を信じて、笑顔で向き合いましょう。
そして大人自身が人生を楽しむことも忘れずに!

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