豪雪地帯である新潟県津南町出身の父が75歳を迎えます。
私自身が40歳を超えたあたりから、両親が生きてきた世代を考えることが増えました。
私が「若大将シリーズ」や「男はつらいよ」を観るのはそのためです。
父は農家の長男…
といっても上に5人の姉さんたちがいて、6番目。
当然のことながら跡継ぎという立場でした。
ところが、地元には残ることができず、中卒で電力会社の訓練所へ入ります。
昭和30年、戦後10年で復興途中の東京へやってきたのです。
時々、当時のことを話してくれます。
先に東京に出てきていた叔父に連れられて3畳の部屋に下宿先へ行ったこと。
とにかく食べられるということに感謝する時代だったこと。
今では考えられないくらい新潟は遠い故郷だったこと。
東京は75年で変貌を遂げています。
ところが、津南は変わっていないところが多いのです。
たしかに長野五輪に併せて道路が広くなったりもしました。
越後湯沢からの道路もとても広くなりました。
でも、やっぱり田舎の暮らしが津南にはあります。
季節を感じ、自然と共生しながらの暮らしです。
「確かに便利なったけど、大切にしてきたものは壊れてるよな」
手間暇かけて栽培されたり、採集したりして届けられる食材のありがたさ…
人々の心遣い…
たしかにめんどくさいかもしれないけれど、地域のつながりは大切。
戦後を生きてきた世代が一気に消えていく時代へ突入しています。
団塊ジュニア世代の私たちが次世代に伝えなければいけないことがあります。
戦後70年、戦争の反省も大切ですが、大切にしてきたものの伝承も大切です。