ありがたいことに著書を献本いただきました。
「学校」をつくり直す。
なんて書いてあるけど、別に喧嘩を売っている本ではありませんから御安心を。
読ませていただいて、ここ数年の教育の課題がまとまっているなっていう印象。
当たり前のように踏襲してきた教育システムでは、今や太刀打ちができない。
そんなことは、みんな分かっているのに現場はなかなか変われない。
これは、先生たちが悪いわけでもないんですよね。
大量採用時代の先輩たちが一気に辞めていくという中で若手が一気に増えている。
その世代間は30年から40年という開きがあるわけで…
肝心のボクたち50代前半から40代半ばは採用が少ない時代なので数も少ない。
結果として、若い世代に伝えられないことが多いのです。
ボクの実感ですが、新卒の頃にいたベテランの先生たちは個性的でした。
そして、子どもたちのことをよく考えていて熱い議論が交わされていた。
それだけ時間的な余裕もあったのかもしれません。
ところが、今は多忙といわれる学校ですから議論する時間もない。
更に世の中の変化も激しいので、とてもじゃないけど太刀打ちできない。
そして安全に今まで通りのスタイルでやって安心する。
でも、本当にそれでいいのか?
そんなことを、この本は考えさせてくれます。
イエナプランのコンセプトについても触れてもらっています。
200ページあたりには、ボクの教室の様子に関する記述があります。
当時の記憶が鮮明に蘇るのですが、やっぱり子どもたちの力が大きいのです。
みんながチャレンジ・リスペクト・スマイルを大切にしてくれたなって実感。
「あいつらすげーな!」って子どもたちばかりだった。
ボクはコンセプトは伝えるけれど、築き上げてくれるのは子どもたちなんですよね。
先生なんてたいした存在じゃないです。
主役は子どもたちなんですから…
そんな体験を生かしつつ、更なる高みを目指して教育の現場でも自分と戦いたい。
日本の公立小学校って凄いんだよ。
そして、先生たちだって素晴らしいんだよ。
でも、ちょっと時代の趨勢の中で苦しんでいる。
だから何とかしようよ!
なんてことを考えることができる1冊です。