ボクの教室の子どもたちは教室の前、つまり黒板を向いて座っていません。
いつでも4人組で向き合っています。
教室の真ん中にはサークルベンチが置いてあります。
そこにベンチがあるだけで何か特別なことをしているわけではないのです。
むしろ何もしていない。
こんな教室になったのには理由があるんです。
一方的に聞くだけだったボクの授業
きっかけは、2008年に受講したJFAスポーツマネージャーズカレッジ本講座でした。
40名近くの受講生がJFAハウスに集まって年間33日のセッションに参加します。
開校式や閉校式は前を向いてましたが、セッションは6名の対面式になりました。
ワークショップの形式で長時間の受講も苦にならず楽しくて仕方がありません。
眠くもならないし、みんなと話しながら講座が進められていくのです。
自分の意見を主張したり、人の意見を聞いたり…
時間もキッチリと区切られていて、ワークシートに向かっていても時間切れ。
その後は、ひたすら仲間たちと話し合う。
それはそれは楽しいもので仕方がありません。
ふと自分の教室を振り返ってハッとさせれたのです。
それまでのボクの授業は従来型で…
黒板にあれやこれやと書いて一方的に話し続けるスタイルでした。
子どもたちが話し合う時間も少なくて何となく不満の残る授業を進めていました。
それぞれが同じようにできるようになったらいいと信じていた時代。
「個性を大切に」と分かっていながら画一的な授業を推進する一人でした。
子どもたちの状況なんて無視してガンガン進む
授業というと…
黒板に今日のねらいを書いて、みんなでそこに向かってひたすら頑張る。
そんな感じでした。
若いボクにとったら授業が遅れるなんてカッコ悪いですから必死に進めちゃう。
子どもたちの理解なんて関係なしに進んじゃうわけです。
課題が終わらなかった子からは外で遊ぶ時間も奪う悪魔…
一方的に話し続ける授業を繰り返しているボクは、とにかくこなすのに精一杯でした。
そんなスタイルの授業を受けるのはボク自身がイヤだったはずなのに…
子どもたちの状況なんて無視して進む授業だったんですね。
授業の進度より重要な子どもたちの状況を観る視点を完全に無視していました。
子どもたちが話す時間も十分に保障していなかったのです。
学ぶ時間に子どもたちが何をしているかとか特に気にもせず…
黒板の前で一方的に話し続けていたのです。
でも…
2008年にやり方を180度転換しました。
ヨーロッパの統率されたサッカーから南米の自由なサッカーへと転換するような感じ。
前を向いて話を聞く時間が長い講義型スタイルをやめたのです。
対話が増える教室でボクも楽しくなった
ワークショップ型のスタイルは、自分が楽しかった経験から導入してみました。
すぐに面白いことに気づいてしまいした。
「勉強なんてめんどくさい!」と言っていた子どもたちが楽しそうに参加するのです。
授業というテーブルに上がってこなかった子たちが参加できるようになってきたのです。
それからというもの…
あれやこれやと試行錯誤を繰り返しながらスタイルを確立してきました。
2012年にはオランダのイエナプラン校へ教育視察へ。
スタイルに磨きがかかります。
帰国後、サークルベンチを教室に導入して進化。
そんな教室では子どもたち同士がよく話している光景を目にします。
検証しなくちゃいけませんが圧倒的な対話量を誇っている状況です。
子どもたち同士がコミュニケーションをとるために何かを特別なことをする必要もない。
良い意味でいろんなことを子どもたちが勝手に始めちゃう。
余談ですが…
給食の残量は毎日ゼロなんです。
クラスが変わっても同じ感じになりますから何か関連があるはず。
KUWAMANは、みんなが仲良くなれる魔法を持っている。
嬉しいメッセージをもらったことがあります。
魔法なんて持っていませんが、ムダに何かをするんじゃくてフィールドを用意する。
ボクの場合は、ベンチを置いてワイワイやれる環境を構築しただけです。
ちなみに、ボクの学年は3クラスともみんなで対話ができる4人組で座っています。
ベンチはないけれど床でサークルをつくっています。
おかげさまで、どのクラスも元気です。
全ては環境づくりかと…
Challenge! Respect! Smile!