「行ってきまーす!」
ワクワクしながら玄関を出るサッカーボーイズたち。
自分のボールを背負ってグランドへ向かいます。
「今日は、どんな感じでやろうかなあ。」
とサッカーの映像が流れている子。
「○○、ケガしてたけど今日は来るかなあ。」
と友だちのことを心配している子。
「あれ?田んぼに水が入ったねえ。カエルいるかな?」
と寄り道しながら歩く子。
その姿は千差万別ですね。
「さーて、今日は何ができるかな?」
「リフティング最高記録めざすぞ!」
「シュートがんがん決めるぞ!」
なんて思ってスタートしたけれど、決められた練習が流れていく。
一方のコーチ陣といえば…
「この前の試合はこうだったな。ここが足りないから練習させよう。」
なんて考えながら練習メニューを考えながらグランドへ登場する。
サッカー界には「M-T-M」という概念があります。
「試合→トレーニング→試合という流れを大切にしましょう。」ということです。
しっかりと分析しながら個々のストロングポイントやウィークポイントを探す。
その上で全体の練習メニューを決める。
若い頃のボクもそうでした。
なんとなく、いい感じで練習が終わって満足して帰る。
ところが、子どもたちはあんまり楽しそうじゃない。
「なんでも自由にやっていいぞ!」
という声とは裏腹に…
「我がクラブは、こういうスタイルだぞ。」
「今は、この練習してるんだぞ!余計な動きはいらないだろ!」
と自由なプレーを制限してしまうようなこともありました。
もちろん、全体で共有すべきことは大切ですが個人の思いをもっと大切にすれば良かった。
そんなことは山ほどあるのです。
いろんなサッカー指導者と交流する中で「個」を大切にすることを学ぶようになりました。
たしかに「自分がやりたいプレー」にチャレンジする時の子どもたちの目は輝いています。
「一人ひとりの物語をもっと大切に!」
と強く思うようになったのは、そうやった育まれてきた視点です。
週末も自分のボールを持って集まるサッカーボーイズたちが全国各地にいることでしょう。
クラブユース選手権、インターハイ予選など大会も花盛りの季節に突入します。
自分のボールを持って集まる、一人ひとりの物語を大切にしたいなあって思います。
Enjoy Football.