この時期になるとU-12の子どもたちや保護者の皆さんがザワザワしてきます。
ジュニアユースクラブへの入団をめぐるセレクションがスタートするからです。
私自身も3人のサッカーボーイズの保護者として、過去に頭を悩ませてきた問題です。
そして、コーチとして直面してきた悩みも多々あります。
そんな経験を思い出しながら振り返りを書いておきます。
名前や戦績だけで選ぶと、ちょっと危険です!
「どんなチームがあるのかわからない。」
ということで、まず考えるのがJリーグクラブの下部組織です。
とはいえ、こちらは、それこそ県選抜クラスを奪い合うような狭き門です。
というわけで、その次はリーグ戦上位のチームなど戦績のよいチームをあたります。
最近は、Jリーグクラブと地域クラブの実力差も以前ほどではありません。
いろんなホームページを検索して…
「どこのチームが強いか?」「その後、どうなっているか?」「プロを輩出しているか?」
なんてことを考えながらセレクションを受けるチームを探します。
この段階では、「どこでやってみたいか?」ばかりに気を取られて…
どんな理念をもっているクラブなのか、何を大切にしているクラブなのか考えられません。
そして、グランドまでの距離や時間、交通費や活動費なども頭に入っていないので要注意。
プレーをするのは子どもたち、保護者ではありません!
子どもたちに過度な期待をかけてしまうのも親心です。
「プロサッカー選手になってくれたらカッコいいよなあ。」
「全国大会とかに出てくれたらカッコいいよなあ。」
そんなことを感じるのも仕方のないことです。
それなりに地域では優秀だと言われている選手の親ならなおさらです。
そこで、クラブ選びで保護者がヒートアップ。
躍起になってセレクションを受けさせまくるなんてことが出てきます。
「ここがダメなら、次はあっち、あっちもだめなら、またあっち」
子どもたちはワケもわからずセレクションを受け続けることになります。
「あのクラブに入れたら強豪高校でも活躍できそう!」
なんて誘惑にかられて、いちばん大切なことを忘れてしまうのです。
「コーチ、あのクラブどうでしょう?」
トレセンスタッフをしている時にも何度も聞かれました。
「あー!それはどうでしょうね?」
と明確に答えることは避けてきました。
「実際に試合を観に行くとか話を聞きに行くとかもいいですよ。」
とよくアドバイスしていました。
そして、ボクはこうも言うのです。
「サッカーを通して、お子さん、どんな大人に成長してほしいですか?」
誰のためのクラブ選びなのかを忘れていてはお話になりません。
クラブの理念や活動時間・場所など総合的に判断を!
クラブの理念とか指導者の方針は、よく考える必要があります。
ただ勝てばいいというだけで、型にはまったサッカーをさせるクラブだと問題です。
長いことJリーグクラブで働く先輩から言われたことがあります。
「プロになるのは少数なわけだよ。問題はそこでどんな大人に成長するかってことだよ。」
「サッカーを教えているだけのクラブはダメだな、ちゃんと教育的なこともできないとな。」
「本人のストロングポイントを伸ばしてくれそうなクラブかってことことも大切だぞ。」
まだまだありますが、じっくりと見極める必要があります。
そして、こんなことも…
「あんまり遠くまで通うってのもよくないぞ。成長期なんだしな。」
「そうだなあ、せめて片道45分が理想だよな。」
「そうじゃないと眠る時間がないし、学校にも支障が出るだろ。」
たしかに大切な中学生時代なので生活時間への配慮は絶対に必要です。
意外と盲点なのが交通費と活動費。
こちらも、しっかりと計算しておかないと大変です。
じっくりと総合的に判断してジュニアユースクラブを選んでくださいね。
Enjoy Football.