サッカーを愛する皆さん、ご機嫌いかがですか?
いや、子どもたちを愛する皆さん、ご機嫌いかがですか?
「日本のサッカーはシュートが少なくてつまらない。」
そんなことをよく言われます。
「シュートを打たないのは学校教育のせいだと思います。」
そんなことをサッカー関係者からよく言われます。
「いやいや、サッカーの現場で教えすぎるからでしょ!」
と私は笑いながら返します。
学校とサッカーの現場、両方にいた私にとっては、どちらも核心を突いている話です。
私たち50代と違って今の子どもたちは恵まれています。
テレビやPC、スマホでもサッカー中継は山ほど見られるからです。
Jリーグのみならず、ヨーロッパの各国リーグも手軽に見ることができる。
何も指導者からあれこれ言われることがなくても十分すぎるほどに情報を持っているのです。
私たちの世代は、「三菱ダイヤモンドサッカー」しかありませんでした。
2週にわたって1試合分の録画を視聴するのでコーチに教わらないとままなりません。
ところが今では、気軽に世界基準のプレーを学べるのです。
なのに、シュートは打てません。
確かにボールフィーリングは素晴らしい。
フィジカルも科学的なトレーニングによって向上している。
でも、やっぱりシュートは打たないのはなぜでしょう?
子どもたちはシュートを打ちたいのに、大人が止めてしまうのが原因だと思っています。
テレビで観たミドルシュートを真似して打ってみたら届かない。
「なんで、そんな遠くから打つんだ。届くわけないだろ!」
と言われるので、子どもは二度と打ちません。
DFが立ちはだかってもボールを1個分ずらして打ってみたら阻まれた。
「相手がいるのに無理に打ってもダメだろ、もう一度サイドから崩せ!」
そんなことを言ったら、シュートレンジなのに打たない子ばかりになります。
「まずはシュートを打ってみる!」
ゴールが見えたらガンガン打てばいいのです。
届かなかったら、なぜ届かないのか、どうやったら届くのかを考えればいい。
DFに当たってしまったら、どうすれば当たらずにゴールを捉えられるのかを考えればいい。
ただ、それだけのことなのに大人の範疇で制止してしまう。
たしかにそれは正解なのかもしれませんが、子ども自身が考えなければ成長しません。
そんなことは子育てにも教室にも山ほどあるのです。
「まずは、どんどんシュートを打ってみる!」
自らの判断で行動したことを認めてあげることが「チャレンジ」へと繋がります。
大人はついつい成功の近道を提示しがちですが…
それは子どもたちの自主性を奪います。
「ゴール見えた?だったら打てばいいじゃん!」
そんなふうにアドバイスしてあげられたらいいですね。
サッカーも人生もね。
Good Luck.