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「どうせ日本酒でしょ!」と「どうせ子どもでしょ!」で失敗していた頃

「どうせ日本酒でしょ!」と「どうせ子どもでしょ!」で失敗していた頃

「どうせ日本酒でしょ!」と「どうせ子どもでしょ!」で失敗していた頃

佐久穂にやって来て嬉しいことのひとつに「美味しい日本酒があること」ってのがあります。

生酛づくりで有名な黒澤酒造さんがあるのが何とも嬉しい。

更に佐久地方には蔵元がたくさんあるのも最高です。

今日は、買い物途中に見つけた佐久の千曲錦さんを初めて購入。

美味しい酒です。

飲みながらあれこれと考えます。

ボクが大学生だった頃…

日本酒は敬遠されていた存在で、世の中は焼酎ブームに沸き始める頃でした。

どの銘柄がいいかなんて考えもせず、どこでも買える大量生産の日本酒を飲まされる。

鍋に注がれた銘柄不明の日本酒を一気飲みとか(汗)

気がついたらリアカーで運ばれていたというような、どうしようもない学生時代。

まだバブル期で…

ワインとかオシャレなものが全盛期で日本酒なんてダサい。

そんな時代なのでボク自身も諦めていました。

「どうせ日本酒でしょ!」っていう具合に…

やがて…

ボクは高校の非常勤講師を2年間務めてから小学校教諭となりました。

どうしたらいいか分からないので、とりあえず子どもたちと遊びまくりました。

そして、つたない授業みたいなものを提供し続ける日々が続きます。

そこでも「どうせ子どもでしょ!」なんていう感覚で…

それが大きな間違いであったことは、すぐに子どもたちが教えてくれました。

ボク自身の子ども像は、ボク自身の勝手な思いによってつくられた偶像でした。

「どうせ日本酒でしょ!」と一括りにしてしまう。

「どうせ子どもでしょ!」と一括りにしてしまう。

これ、全くもって同じ思考回路です。

「まあ、こんなもんでしょ。」

みたいな感覚でいるから適当すぎる授業を繰り返します。

子どもたちは合わせてくれるけど、内心は残念な気持ちでいっぱいだったのでしょう。

「だいたい、こんな感じでいいんだよね。」

なんて感覚で進めるボクに子どもたちは合わせてくれていたのだと思います。

なんだか…

当時の子どもたちには本当に申し訳ない気分でいっぱいです。

どっちが先かという記憶は定かではありませんが…

「日本酒」にも「子ども」にも個性があることを教えてもらいました。

それぞれに背景が違う。

日本酒でいえば「酒米」「米麹」「水」があり、「醸造元の気候」「醸造設備」も違う。

子どもたちでいえば、「得意なこと」「好きなこと」「家庭環境」「思考回路」が違う。

それぞれ、個性があるのに…

そんな個性なんて無視していたので上手くいくわけがありません。

「美味しくないのは日本酒だからね。」

「ちゃんとできないのは子どもだからね。」

なんて考えていたのかもしれません。

それが、美味しい日本酒と出会い、多様な学校を目の当たりにして変化しました。

「日本酒って凄いね!」

「学校って凄いね!」

「米」本来の力を引き出すのが日本酒だとすれば…

「子ども」本来の力を引き出すのが教育だとすれば…

なんてことを考え始めたのでした。

もっと早く気づけたら良かったのになあ…

そんなことを考える週の真ん中水曜日です。