「流行に踊る日本の教育」を読んでみた

「流行に踊る日本の教育」を読んでみた

気になっていた本である。

なかなか刺激的なタイトルだと素直に思った。

ある意味でボクが関わっていることにも批判的(よい意味で)な内容もあるだろう。

どんな世界でも流行したものに対しては痛烈な批判が出てくる。

テレビが登場した頃やゲーム機が登場した頃は一大ブームが巻き起こった。

ところが、そんな世の中に批判的な意見が出てくる。

「テレビを見るとバカになる」とか「ゲームをしているとバカになる」

たしかに視力が落ちるとか体力が低下するとか健康問題などが生じた。

それらの問題については、さまざまな解決策が提案されている。

「流行に踊るとはどういうことなのだろう?」と考えながら読み進める。

イエナプランに関わることについて、これ大切と思ったところがある。

ちなみにイエナプランそのものではない部分

異年齢学級の編制や時間割の改変といったシステム自体は実現不可能だったとしても、一人ひとりの子どもが自らの学習について考え、意見を述べる権利をもつことが可能となるような学校や教室をつくり出していくという課題は、通常の学校・学級で展開される授業のなかでも追究されなければなりません。

これ本当にその通りで、私立だからできるとかいうレベルの話ではない。

異年齢学級の編成は公立ではハードルが高いけれど、学習の個別化や協働化は可能だ。

それは、国内でも実践があるしボクも過去に公立でやって来た。

「全ての教育活動で」となるとさすがにハードルが上がる。

それでも、学年単位だったり、特定の教科だったりと工夫する余地はあるのだ。

「教育」ということに関して、こんなくだりも気になった。

本当に大切な話だ。

教育はモノづくりではなく、人にかかわり、その成長の場面に立ち会う仕事であり、しかも、いわば学校内外で「暮らし」を営むことを通して、人とのつながりのなかで長いスパンで生じる人間の変容にかかわる営みです。促成栽培や養殖の動植物と天然のそれとの違いを想起すればわかるように、豊かな成長には、人間の生物学的成熟や類的本質に沿った時間とスピードに 合わせることが 合理的なのです。そして何より、人が人と向き合う営みゆえ、教育の現実は人間臭さから自由にはなれません。いかにファッショナブルにスマートに語れはしても、現実はそれをゆるしません。

これね…

例えば、とある書籍に紹介されている通りにやったしてもダメってこと。

そもそも完璧なマニュアルなんか存在しないのだから。

もしも存在するのだとしたら、先人たちの試行錯誤はどこへやらだ。

そして、学校だけで教育は完結しない。

家庭の協力も必要だし、社会全体で教育の諸課題を考えることは必須だろう。

歴史に学ぶことなく、また日本の学校の文化的特質をふまえることなしには、目新しい考え方や方法は、言葉だけ新しくて中身はかつての何かの焼き直しに陥ったり、さらには、学校現場や日本の教育の日常に埋もれている「足元の宝」や、逆に真にメスを入れるべき根深い問題から遠ざかってしまうことになりかねません。

後半に登場する一節だが、ここは本当に気をつけないといけない。

苦しいときに目新しいものを導入したくなるのは分かる。

なにか上手くいっているようにみえる実践はキラキラとして見えるからね。

でも、パッと導入すれば劇的に変わるなんて事はあり得ないのだ。

しかも、これまでの学校文化の全てを否定するようなことがあってはならない。

その時代には、その時代で必要とされた教育があるのだから。

良いところは踏襲しつつ、そっと新たな風を入れていく。

そんな姿勢でいたいとボクは思っている。

最後にこの本に関わる読み応えある書評を2つ紹介。

自分自身の教育観を振り返る上でも面白い内容だ。

【書評】『流行に踊る 日本の教育』(石井英真・編著ほか)に見る矜持と退廃 : やまもといちろう 公式ブログ
 教育関係の人たちから酷評と絶賛という二つの不思議な評価を得ている本書が話題になっていたので、手に取ってみたわけですよ。 我が国の教育改革に対する教育学者たちの反駁、反論、反証の書であるので、教育専門家しか読んでて分からないかと言われればさにあらず。東洋
『流行に踊る日本の教育』(東洋館出版社)&山本一郎氏の書評で感じたこと|神﨑史彦|note
今日は、最近教育界で話題になっている『流行に踊る日本の教育』と、 山本一郎氏の書評について、感じたことを述べてみようと思います。 私には、こんなど真ん中を刺す書評、書けないわ… 山本氏が指摘する「子どもたちが健やかに人間的な存在として貴重な若い時間を学校で過ご

単行本

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教育 読書記録
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