2月最後の金曜日は雪が舞う時間もあった。
「雪が降ってきたよー!」
とある子どもが嬉しそうに教えてくれる。
「おー!ほんとだ!あれ?もう時間だよ」
その子はスタッフルームのヒーターから離れずにいた。
「いやーその…寒いからさ、お尻あたためてからいくから待って」
「なるほど、お尻が焦げないようにね(笑)」
そんな会話をしてボクは自席で仕事をする。
数分後にチラッと見るとヒーターの前から姿は消えていた。
子どもたちと会話することは本当に楽しい。
「雪、やんじゃったねー」
「でも、まだ山のてっぺんは降ってるんじゃない?」
「なんでそう思うの?」
「だってさー、雲で見えないしさー、いつもてっぺん辺りだけ積もってるもん」
「そうか、まさかの雨だったりしないかな」
「いや、そんなことはないよ。高いところは寒いんだから」
「たしかにそれはあるよね。でも、めちゃくちゃ晴れてるってこともあるかもよ」
「あー!それはあるかもね。雲の上かー(笑)」
こんなふうに楽しめるのは幸せなことだよね。
ふと考えたことがある。
山のてっぺんは見えている方が嬉しい。
その頂きを目指して登ることができるからね。
とはいえ、山の中に入るとてっぺんは見えない。
その分、登山道で出会う様々な光景を楽しみつつ登ることができる。
途中、道に迷うようなこともある。
危険な生き物に遭遇することだってある。
天候が崩れたら一旦は撤退して再び挑むことだってあるだろう。
それでも、ボクらは協力して登り続ける。
一人じゃなくて、みんなで何度も何度も挑む。
「誰もが、豊かに、そして幸せに生きることのできる世界をつくる。」
そんな山のてっぺんをめざして。