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【蹴球親楽】第49回:そーっとボールを転がす男。

ラディッシュ田山監督と共に

今日も快晴、小春日和となった丹沢・大山の麓。

明日まで暖かいらしいのはありがたい。

新年早々の少年サッカー界は慌ただしい。

明日から県選手権が始まるからだ。

ということでラディッシュの聖地なでしこ広場へ。

秦野の少年サッカーではお馴染みのグランドでもある。

「ニューイヤーカップ」なるラディッシュ主催大会。

姉妹都市である長野県諏訪市からも諏訪FCが来ていた。

この時期は暖かい秦野へとやって来るのが恒例となっている。

ずいぶん前から続く市民による姉妹都市交流。

皆さんに挨拶を交わしながら監督を探す。

いつものようにベンチコートを着てグランドを歩き回っていた。

出会いは約半世紀前のこと。

ギターを弾き、若島津くんのような帽子をかぶり、煙草をふかす。

ちょっとカッコイイ先生はボクらにボールを転がした。

「お前らサッカーやれ!」

ではなく…

「サッカー大会あるけどやる?」

そんな感じだった。

「そーっと」

という表現が適切だろう。

そんな監督は「文武両道」にうるさかった。

学期が終わると通知表を持って廊下に並ばされたものだ。

「勉強できないやつはサッカーも上手くならないぞ」

なんてよく言われたが本当だって思う。

全ては繋がっているからね。

「あーしろ!こーしろ!」

なんてことは言わない。

怒られる基準は4Kテレビで見えちゃう俳優さんのシワほど明快だ。

分かりにくい例えだな(笑)

「ちゃんとドリブルしろ!」

みんなより身体が大きく小回りの利かないボクには全く言わない。

その代わり…

「くわ!なんで今の打たないの?打てたでしょー」

なんてことをよく言われていた。

「ちょっとだけズレたら打ってみな」

「1ミリでいいから相手より先にボールを触ればいいんだ」

「ゴールが見えたらどこからでも打ちなさーい」

なんてことをおどけながら言うのだった。

勝つことにもこだわるが何よりもこだわったのは個性。

一人ひとりの子どもたちの輝きをベンチでニヤニヤと見ている。

ひたすら質問という名のボールをそーっと転がしてくる。

明日から始まる選手権、U-12の登場は明後日らしい。

最後の公式戦、後輩たちの活躍に大いに期待している。

ラディッシュらしく…

【対戦表】第50回神奈川県少年少女サッカー選手権

大根サッカー
秦野市で活動している大根サッカークラブです