サークルベンチに頻繁に座る子どもたち…
そこでは、あまり難しい話をしている光景は見られません。
あちらこちらで笑っている。
日々、起こる問題も難しく考えるのではなく一緒に解決ようという姿があるのです。
サークルベンチを置いた3年間の実践で、仮説が生まれています。
サークルベンチが教室にあることで、子どもたちの間に適正な距離感が生まれ、教室がポジティブな空間になる。
どうやったら学術的に検証できるのか思案中です。
何よりもお互いの距離が近いことが効果を生んでいるのだと思っています。
ということで距離について調べてみました。
他者との関係性によって人のパーソナル・スペースの広さは変わる
文化人類学者エドワード・ホール氏は、距離を大きく4つに分類しています。
更に細かく「近接相・遠方相」という2つに分類できるそうです。
密接距離(0~45cm)
家族・恋人などのごく親しい人だけが接近を許される近い距離。
相手の身体に容易に触れることができる距離。
知らない相手が密接距離に入ってくると恐怖感・不快感を強く感じる距離。
近接相(0~15cm)
相手をすぐに抱きしめられるような最も近い距離。
遠方相(15~45cm)
身体が直接に触れ合うことはないが手で触れようと思えば触れられる相当に近い距離。
個体距離(45cm~120cm)
親しい友人・恋人・家族などと普通に会話する時に取る距離。
相手の表情が良くわかるような距離。
近接相(45~75cm)
少し場所を動けば相手に簡単に触れられるような相手を信用しきった距離。
遠方相(75~120cm)
お互いが手を伸ばすと、指先が触れあう程度の親密さの感じられる距離。
社会距離(120cm~360cm)
知らない相手や公的な改まった場面(ビジネスの関係など)で相手と会話する距離。
相手の身体に手で触れることができない程度の安心できる距離。
近接相(1.2m~2.0m)
知らない人同士で会話をしたり、社会的・ビジネス的な場面で用いられる距離 。
遠方相(2.0m~3.5m)テーブルを挟むなどして、公式な改まった商談や交渉の場面で用いられる距離。
公衆距離(360cm以上)
講演会や公式なレセプションなど、自分と相手との関係が「個人的な関係」ではない「公的な関係」である時に用いられる距離。
近接相(3.5m~7.0m)二者関係が個人的なものではなくて、講演会における講演者‐聴衆という関係にある場合に取られる形式上の距離。
遠方相(7.0m以上)一般人が社会的な要職・地位にある人物と正式な会合・イベントで面会するような場合に取られる畏まった距離。
サークルベンチは、密接距離と個体距離で座ることが多い。
共通するのは家族的な空間になるということでしょうか。
一般的な教室だと個体距離だけ…
ごく親しい人だけが接近を許される近い距離も生むサークルベンチ。
これがポイントかもしれません。
居心地の良いカフェなどは、きっとこんな部分も工夫されているんだろうと思います。
あちらこちらのレストランやカフェでレイアウトを見て回ってみたい。
大切な仲間たちと、居心地の良い空間で、素敵な時間を創りたい。
空間をデザインする。
いろいろ考えてみたいものです。
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