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ウェールズにみる英国と日本の育成環境のちがい

ウエールズと日本の育成環境のちがい

ウエールズと日本の育成環境のちがい

台風が接近中の土曜日。

今日から3日間、JFAスポーツマネージャーズカレッジ神奈川サテライト講座です。

10年以上、運営のサポートをさせてもらっている事業。

お世話になっている神奈川県サッカー協会への恩返しです。

さて、昨夜、1時間近く、ウェールズにいる我が家のサッカーボーイズ3号と話をしました。

テーマは「ウェールズと日本の育成環境のちがい」

この話です。

なるほどと思うことがあったのでまとめておきます。

選手一人ひとりが大切にされるウェールズ

UEFAに所属する各リーグは概ね9月から6月までがシーズンとなります。

7月と8月は、きっちりとオフシーズンがある。

オフがあるって大切だなあと感心させられますが、どうやらそれだけはないのです。

その期間に移籍が盛んに行われるのだそう。

「え?育成年代でも移籍が簡単ってこと?」

「そもそもユース年代は各クラブ16名から18名程度しかいないんだよ」

確かに3号が分析で関わっているカーディフ・シティFCのメンバーもそれくらい。

「そもそも人数が少ないから各選手のプレー時間が保障されているんだよね」

「1シーズンで良いプレイをする選手は、より強豪のクラブやトップチームへ移籍する」

結果が出なかった選手は、他チームへ移籍して実力をつけるのだそう。

「だから、選手も必死になってプレーするし、ダメでもちゃんとサッカーは続けられる」

なるほどなあ。

ジュニアユース、高校サッカーを渡り歩いた彼は更に続けます。

3年間が保障される日本の強豪クラブや強豪校

日本の場合は、どうでしょう。

3号が中学生年代で所属していたのは、湘南ベルマーレ小田原(現在のウェスト)でした。

かの久保建英選手とも公式戦でガチンコ勝負した貴重な経験があります(笑)

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こちらはU-15ですが、各学年20名なので60名が所属しています。

各学年別にリーグ戦も組まれていますが、なかなか公式戦に出られない選手もいます。

高校は、県内でも強豪校である日大藤沢。

当時の部員は150名を超えていてAチームからDチームまである。

各チームが分かれて県リーグにも参加していますが、全員が出場できるわけではありません。

3号はCチームに長らくいて、3年になってトップチームに昇格できた経験を持っています。

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「日本では公式戦で戦える人数が圧倒的により少ないんだよ」

たしかにリーグ戦も組まれるようになったけれど、まだまだ足りないのは確かです。

「毎日、選手権の緊張感とか経験できるのはトップの25名だけだからね」

「所属しているだけで満足しちゃうみたいなところもあるし」

たしかにそうです。

じゃあ、移籍すればいいかっていうと学校の場合は転校することになります。

そうするとたしか半年は公式戦には出られないというようなルールもありました。

ということで、残念ながら自分にフィットした環境でプレーできない可能性大。

関東大学サッカーリーグに所属する大学では400名もの部員を抱えるところもあります。

たしかにIリーグなどがありますが、大学側からすれば学費要員みたいなもの(汗)

言葉悪く言えば、ただの金づるでしかないわけで…

本当にそれでいいのだろうかって思ってしまいます。

個人スポンサーがつくウェールズと費用は自己負担の日本

「こっちでは、アンダーカテゴリーの選手に個人スポンサーがつくこともあるよ」

トップチームの選手たちのように少額ながらスポンサーになってくれる人たちがいるのだそう。

例えばスパイク代を払ってくれるとか形は様々だとのこと。

消耗品であるスパイク代なんて払ってもらえたら、そりゃあ選手も家族も助かります。

「ちゃんと特典もあって、シーズンが終わったらユニフォームをプレゼントする」

なんてこともあるそうです。

サッカーの歴史が違うし、クラブという文化が根付いているからこそなのかもしれません。

日本では、なかなか聞いたことのない話ですよね。

よほどの選手だったら授業料免除とかありますが、ほぼ自己負担。

ジュニアユースクラブだって月額1万円以上かかるクラブが多数ある。

そこに移動の交通費(大人料金)がかかります。

そして、強豪はほぼ私立ですから学費も高い。

大学まで続けようと思ったら、ひらひらと札束が飛んでいってしまうのです。

クラブや学校としては人数がいないと運営が成り立たないってのもありますから大変だけど。

日本でも個人スポンサーがつくような仕組みが作れないか模索したいと思います。

どちらの育成環境にもメリットとデメリットはある

裾野が広いウェールズを含む英国やヨーロッパでは、ずっとサッカーを楽しめる環境がある。

もちろん、思い描いていたようなトップリーグでプレーじゃなくても移籍しながら継続できる。

グランドが豊富にあったり、たくさんのクラブがあるからできることなのかもしれません。

「サッカーを長く楽しめる環境」ってのは良いことだと思います。

ただ、気になる点もあります。

例えば前述のカーディフ・シティFCの場合、所属選手にはクラブが責任をもって教育もする。

でも、1年で移籍ということになれば、その特典も受けられなくなる。

「そういった面では学力にも影響があるんだよなあ」

というネガティブな側面もあるそうです。

一方で日本の場合は、少ないグランドを奪い合うようなことも多発。

ホームグランドを持たないクラブがありますから公共施設なんか大抽選会となるのです。

学校だってグランドをたくさん待っているわけではないので150名以上もいるところは大変。

ただ、ある程度の進学実績がある高校などでは、きちんと学力はついていく。

サッカー選手になるだけが人生ではなく、サッカーは人生のほんの一部でもいい。

そんな環境は日本にもある気がします。

肝心なことは「選手一人ひとり」を大切にすること

ウェールズの育成環境を聞いて、羨ましいと思うところは多々あります。

文化と歴史の違いもあるとは思いますが、日本でも取り入れられることはないでしょうか。

選手数はプレー時間を保障できる少人数で運営できるクラブへと変貌させる。

トップ選手の育成だけじゃなく、生涯楽しむための普及活動。

改めて両輪からクラブ運営を考える必要がありそうです。

日本のスポーツビジネスは、まだまだ発展途上ですが、

「スポーツチームのファンはウェルビーイングが高い」とも言われます。

たしかに、多世代で応援できるし、多様性があるのがスポーツの世界。

そのどまんなかに「PLAY」があります。

「遊ぶことこそに人間の本質がある」と定義したのはホイジンガ。

「する」「みる」「ささえる」

サッカーボールを真ん中にして、それぞれの人たちが思い思いに楽しむ。

そんな環境づくりにも取り組んでいこうと思います。

桑原 昌之

スポーツ、教育、暮らし&まちづくりなど自由気ままに。
教育研究家・秦野市議会議員
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