朝から心地よい秋の空気に包まれる丹沢・大山の麓にて。
朝散歩の後に珈琲を飲みながらKindle版で拝読させていただきました。
多くの教育関係者(子どもたち・保護者・教員・その他も含め)に読んでほしい一冊です。
「だから日本の教育はダメなんだよ」
という批判だけでなく、「では自分は何ができるのか?」を考えながら読んでいただきたい。
工藤先生の麹町中学校における実践は、多くのメディアに紹介されています。
危機感からスタートした学校改革には全国から注目が集まっています。
「公立中学校でここまでやれるのか?」
という実践例が満載なので各地で参考にしようとしている学校もあることでしょう。
でも、なかなか進まない。
「何をするのか?」ばかりに目が行ってパッチワークのように対策を重ねる。
どんどん子どもたちだけでなく、保護者や先生たちも疲弊していくばかり…
学校だけではなくスポーツの現場でも同じ。
「どうプレーするのか?」ばかりが問われ「なぜプレーするのか?」を忘れがち。
そんな世界を見ながら小さな実践を繰り返してきたわけですが…
工藤先生や苫野先生からのメッセージがより多くの人たちに届いたらいいなと思います。
そして、同志である全国各地の実践者が「あーでもない!こーでもない!」を繰り返す。
「見ちゃった。知っちゃった」教室を苫野ゼミの学生さんにも見てもらったことがあります。
その他、本当に多くの皆さんに気軽に足を運んでいただきました。
いろんな視点からの指摘が次の実践へと確実に繋がっています。
内向きにならず、「こんなのやってるんですけど、どう思います?」って聞けたらいい。
さて…
読了後にモヤモヤしたことが3つあります。
ボクは教育学部体育科出身なので「体育会系」の扱いについてイヤだなと思うことが。
読み手によっては勘違いされることに懸念も抱いています。
「体育会系」→「権威的な指導者」→「統制された学校の作り手」ばかりではありません。
もちろん、そういった方たちがいるのも否定しませんが決めつけられる恐れにモヤモヤします。
次に、この本を多くの方たちに読んでもらって議論をしてもらいたいのですが…
実質的なヒト・モノ・カネを握る文部科学省や都道府県・市町村教委にどう届けるかも重要。
大きな組織ほど変革をするのが難しいことにモヤモヤします。
ということで、こちらは小さな町などで変革の動きが出てくることに期待したい。
実際に動こうとしている自治体もある。
そして、子どもたちと向き合う最前線は保護者や教員(スポーツ指導者)です。
「目の前にいる一人ひとりの子どもたちが自分らしく生きるためにはどうする?」
ということに気づいた人たちが、より多くの人たちに訴え続けることが必要です。
でも、子育てを終えた人たちにも興味関心を持ってもらいたい。
「もう私たちは子育て終わっちゃったし関係ない」という残念な声も聞いてきました。
そんな大人たちにも振り向いてもらうにはどうすればいいのかとモヤモヤ。
解決策は、ここでも書かれている「民主主義」について再考して行動することでしょうか。
「この話は、子どもたちに限った話ではありませんよ。社会全体の問題です!」と…
さあ、みんなでモヤモヤして考えましょう。
そして、自分のできることから、小さなことからでいいから始めましょう。
行動あるのみです!