「なかなか気づかないんだよなあ」
「みんなはどうして気づくんだろうなあ」
「見方とかコツがあるのかなあ」
目の前の事態が改善しないのでメソッドを探す。
「○○するために□□してみよう」
なんてことが書かれていることを見つけてはやってみる。
そんなことを繰り返していた時代がありました。
でも…
上手くいかない。
「まだまだ解像度が低いのだな」
と意気消沈するのが常だったのです。
「解像度を上げるにはどうすればいいのだろうか?」
そう考えて自らの実力を上げることばかりを考える。
ところが…
やっぱり上手くいかない。
泥沼へとはまるボクに先輩が笑いながら言います。
「あのさ、もっとゆっくり見てみたらどう?」
「ゆっくり?」
「そうそう、教室をノンビリ歩いてみたらいいよ」
「ノンビリ?パッパと見ないと間に合わないんですけど」
「いやいや、だから見えないんだよ」
「パッパとみるのは全体をぼんやり眺めているのと一緒じゃない?」
「たしかにそうですが、そうしないと全体像がつかめません」
「そんなことはないさ、目の前にいる子の姿をじっくりと見てごらん」
「じっくりと時間をかけてってことですかね」
「例えば車や電車でバーッと走ってしまったら、道端に咲く花は見えないよね」
「そりゃあ、そうですね」
「だからスローダウンするといいってこと」
目的地に急げば急ぐほど周辺の状況は見えません。
たまたま見つけた不思議な実も、ゆったりと歩いていたからこその出会い。
子どもたちを一生懸命みるために「スピードを上げる」のではなく…
子どもたち一人ひとりの物語を垣間見るためにスローダウンです。
チャレンジは続く…